解析実習3は建築学会RC規準(1999)に掲載されている4辺固定スラブの例題の解析です。

STEP1 解析概要

今回も対称性を利用し1/4のモデルとして解析します。

モデルの作成要領は演習2とほとんど同じ。

モデルの諸元
1.平面形 : 3.7m x 5.7mの1/4-->1.85m x 2.85m
2.厚さ : 0.15m
3.ヤング係数 : 2.1E+11 N/m2
4.ポアソン比 : 0.167
5.荷重 : 積載荷重8000N/m2 + 固定荷重3600N/m2= 11600N/m2(表面等分布荷重)
6.支持条件 : 4辺固定支持

STEP2 予備解析

建築学会RC規準1999のP217例題の応力、たわみを図表より計算する。

1.短辺方向 端部Mx1 = -0.077x11600x3.72= -12227 Nm/m
            中央Mx2 =  0.035x11600x3.72=   5558 Nm/m
 長辺方向 端部My1 = -0.057x11600x3.72=  -9051 Nm/m
            中央My2 =  0.011x11600x3.72=   1746 Nm/m

2.たわみは例題では計算されていない、よって図表計算する。
 δ=(たわみ係数)・w・lx4 / ( E・t3 ) = 0.027*(24000*0.15+8000)*3.74/(2.1E+11*0.153) = 8.28E-5m


STEP3 モデルの作成
 
1. 4つのコーナー座標を指定
   Nodesメニュー-->Add Single Nodeで頂点の座標を1点づつ入力。
   X    Y    Z
   0    0    0
   1.85 0    0
   1.85 2.85 0
   0    2.85 0
   ViewメニューでXY平面、画面にフィットさせると4点が表示される。

2. 解析タイプの指定
   Model-->Type of Analysis
-->Mechanic を選択し OK。


3. 要素の作成
  Elements-->Add Singleを選択。
   節点番号を1,2,3,4と入力、Add-->Canceで終了。
   要素の細分化をするためにElemnts-->Subdivide-->4 Node Quadrilateralを選択。
   分割数、要素特性番号の入力 ダイアログボックスに鉛直方向の分割数、水平方向分割数、
   要素特性番号を 20,10,1と入力。

   2重節点の消去Nodes-->Sweepコマンドで 0.01程度を入力。
   節点番号の最適化 Model-->Cuthill McKee。   


  ここで各要素に要素特性データを適用する。

   Elements-->Edit Element Specific Dataを選択。
   200要素できているので、from 1 to 200 by 1-->OK
   ドロップダウンボックスからMINDLIN4 plate,(4 Nodes),11を選択。
   以下それぞれの値としてMType:0 IType:2 NINTB:2 NINTS:1 Surface Load:11600 THIC:0.15
   最下行:空白 を入力しOK。
 
 
 

4. 拘束点の指定
   上に示すモデルを例に拘束点を指定する。
    1/4モデルとしているので、

    A)-1   X=1.85m上の節点のY軸回り回転を拘束。(対称性)
   -2  Y=2.85m上の節点のX軸回り回転を拘束。(対称性)
    B)     X=0m上の節点のX、Y軸回り回転を拘束。及びZ方向の変位を拘束(固定支点)
       Y=0m上の節点のX、Y軸回り回転を拘束。及びZ方向の変位を拘束(固定支点)
  
    A)-1を指定するために、該当する節点を窓で囲みConstraints-->Add/Editを選択。
  Rotation about the Y-axisにチェック。
    A)-2を指定するために、該当する節点を窓で囲みConstraints-->Add/Editを選択。
  Rotation about the X-axisにチェック。

  B)を指定するために、該当する節点を窓で囲みConstraints-->Add/Editを選択。
  Rotation about the X-axis、Y-axis及び
  Linear displacement along the Z-axisにチェック。

  以上で境界条件がセットされた。
  この段階でデータを一度保存しておこう。ファイル名はご自由に。



STEP4 解析の実行

   グローバルプロパティの指定及び解析の実行

   まず、Model-->Global Propertiesを選択。
   ダイヤログボックスのYoung's Modulusに210000000000、Poisson ratioに0.167を入力、その他は0。
   節点変位や後処理用GPHファイルにはチェックを入れておく。

   以上でデータ入力は全て終了。
   データファイルを保存し解析をするために、ツールバーの緑の"="(赤丸部)をクリックする。
   保存&解析がワンクリックで行われる。




STEP5 解析結果及びその検証
 
  解析結果
 以下に解析結果を示す。ここであわせてNastran(Femap with NX-Nastran Ver10.0 )の結果も示す。



LISA Z方向変位


Nastran Z方向変位



LISA X方向変位曲げモーメント



Nastran X方向変位曲げモーメント



LISA Y方向変位曲げモーメント



Nastran Y方向変位曲げモーメント
 以上のように、どのケースもLISAとNastranとはほとんど同じ結果となった。(当たり前と言えば当たり前)   


  STEP2の予備解析と比較してみる。
  
   最大曲げMX1   予備解析/LISA = 12227 / 10300 = 1.187
      MX2   予備解析/LISA = 5558 / 5700 = 0.975
            MY1   予備解析/LISA = 7750 / 9051 = 0.856
            MY2   予備解析/LISA = 1746 / 2430 = 0.718

    最大たわみ   予備解析/LISA = 8.28E-5 / 8.15E-5 = 1.016

    たわみは許容範囲の誤差と考えられるが、Mx2を除き曲げ応力はその差が大きすぎる。
  演習2と同様にポアソン比が影響していると考え、ポアソン比を0として解析してみたが、
  両者の比はそれほど改善しなかった。
     最も大切なはずの解析結果の検証、それも理論解との差が許容できない程あるとき、その原因究明を
  先延ばしするのは好ましくない。
  が、ひとまず演習3はここで終了とする。
  誤差の原因究明は判明しだいご報告です。


先頭へ  LISAへ

解析実習3
home design analysis softwares lesson favorites Mill